【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第27章 ◇第二十六話◇104期の新兵達【調査兵団入団編】
数日前にも来たストヘス区に、私はまたやってきていた。
今朝、私を見つけて嬉しそうに駆け寄ってきたハンジさんに、一緒にストヘス区への出向に速記として同行するようにお願いされた。
巨人捕獲作戦について、修正点が入ったのでその報告を行う必要があったらしい。ところが、そんな日にモブリットさんが風邪をひいてしまって、嬉しくもない白羽の矢が私に立ったということらしかった。
「今日もお母さんのところに遊びに行く?」
報告は思ったよりもスムーズに終了し、憲兵団の施設を出た私達は時間を持て余していた。
迎えの馬車の時間までまだだいぶ時間がある。
「あまり何度も行くと怒られそうです。」
「そうかな?喜ぶと思うけど。」
「それに…、嘘を重ねるのもツラいんです。」
「そっか。」
「せっかく提案して頂いたのに、すみません。」
「気にするな。」
ハンジさんはニシシと笑って、私の髪をクシャリと撫でた。
それなりに綺麗にしてるつもりの髪が散らかって、不格好になってしまうけれど、私はハンジさんのこれは結構好きだ。
親しみを込めてもらえてる気がして、甘えてもいい気がするからだろうか。
「憲兵に会いたい子がいるんです。」
不思議そうにするハンジさんに、詳細を伝えると、二つ返事でOKの答えが返ってくる。
いつもだ。
私のお願いを、ハンジさんはいつも快く受け入れてくれる。
もしもそれが、私を調査兵団へ入団させてしまった罪悪感からなら、気にしなくていいと言ってあげたい。
でも、私にはまだ、それが出来ない。
「よし、行こうかっ。」
ニカッと笑うハンジさんは、すごく優しい。
その優しさに頼って、甘えるしか出来ない私は、今度の壁外調査で結果を残してお返しがしたいと思ってる。
私が調査兵団に入った意味を、調査兵団が感じてくれるように。
そして、私も自信を持って、調査兵団に入れてくれてありがとう、とハンジさんに言えたら、すごく嬉しい。