【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第26章 ◇第二十五話◇愛の世界で生きてきた彼女【調査兵団入団編】
第57回壁外調査では、カラネス区からシガンシナ区までの航路を模索するための実験的な要素が多分に含まれるものになる。
幾つかの班に分かれての調査となり、中間拠点の設置も必要となる。
さらに、どうしてもハンジがやりたかった巨人化したエレンを用いての巨人捕獲作戦も追加で行うことが決定した。
それぞれの作戦班を決める必要がある分隊長は、これからが本当の意味で忙しくなる。
その前に、ハンジはリヴァイに巨人捕獲作戦の概要を説明するようにエルヴィンから指示されていたため、彼を自室に呼んでいた。
「-て感じで、リヴァイ班のみんなは大変だと思うけど、頑張ってもらいたいんだ。
大丈夫かい?」
「問題ねぇ。」
「よし、なら大丈夫だ。」
思った通りの答えをもらえたハンジは、巨人捕獲作戦についての書類に満足気にサインをする。
この作戦には、他にも数名のメンバーを引き入れる必要がある。
詳細については、シガンシナ区の航路模索の班決めと一緒に考えることにすればいい。
とりあえず、今日の自分の仕事は終わりだ。
ペンを置いたハンジは、リヴァイに視線を向ける。
ソファに背中を預けてゆったりと座り、書類を見ているリヴァイは、まるでこの部屋の主人のようだ。
人類最強の兵士と謳われ、様々なことを経験してきた。主に、悪い経験の方が多かっただろう。
そういうものが、リヴァイの余裕のあるオーラに繋がっているのだと思う。
でも―。
「まさか、リヴァイが私の嘘に付き合ってくれるとは思わなかったから、驚いたよ。」
からかうようなつもりは、ない。
ただ本当に感謝している。