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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第19章 ◇第十八話◇2人の見た夢【調査兵団入団編】


「お…、おもい…。私はここで…、巨人に潰されて死ぬ、のか…。」

ナナバさんは、楽しいはずのお酒の席で巨人に潰されて死ぬという悪い夢を見ているらしい。
でも、現実はもっと残酷だ。
ナナバさんを圧死させようとしているのは、直属の上官であるミケ分隊長だ。
私は、あの人がお酒を呑んでいる姿を見ていない。
だが、気づくと、酔い潰れて寝ていたナナバさんの上で気持ちよさそうに眠っていた。
相棒の命の危機に気づいていないはずがないゲルガーさんは、その隣で幸せそうにお酒を呑んでいる。
助ける気はないらしい。
個性豊かな面々が集まったとエルヴィン団長が最初に言っていたけれど、それにしても個性が爆発しすぎな人達だ。
でも、このお酒の席の上で、ひときわ異彩を放ち、そして、誰よりも信じられないのは、リヴァイ兵長だ。
隣に座る五月蠅い上官の声から逃れるために耳の機能を完全に休止しただけではあきたらず、本の世界に逃げ込んだ。
なんと、リヴァイ兵長は、私の歓迎会に来て、優雅に紅茶を飲みながら読書を楽しんでいらっしゃるのだ。
誰が信じられるだろうか。
歓迎会だと分かっていて、お酒を呑む席だと分かっていて、リヴァイ兵長は本を持参していたということだ。
あの男は、この店に足を踏み入れるときから、いや、兵舎を出るときから、そう、初めから、本を読むつもりだったのだ。
私の歓迎会なのにー!

「そろそろお開きにするかの。」

女と酒が好きだと公言するピクシス司令は、いくら飲んでも変わらない。
彼の言葉で、ようやくこの醜態は収束を迎えられそうだ。

「お前がな!!お前がイアンとミタビを殺したんだ!!!!
 うわぁぁぁぁぁあああんっ!!イアンんんんんっっ!!!!」

猛烈な絡み酒のリコさんは、泣き上戸でもあるようだ。
最初に自分で言った通り、誰よりも無礼講を振りかざしていた。

「そろそろ…、お開きにするかの…。」

ピクシス司令を涙目に出来るのはきっと、リコさんだけだ。
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