【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第166章 ◇第百六十五話◇変わらない想い【運命の決戦編】
今日の予定の書類を確認していると、他の分隊の新兵がやって来た。
彼はどうやらリヴァイを探していたようだった。
「なぁ、リヴァイ兵長、見てないか?
出さなきゃいけない書類があるのに、いつも会えなくてさ。」
「さぁ?また実家に帰ってんじゃねぇの?」
「あの人が非番の度に実家に帰るなんて意外だよなぁ。
孤高の存在って感じだし。」
「分かる!!そこがカッコイイんだよねぇ。
でも、この前、実家に兵団マント忘れたからってお母さんが届けに来ててさ。
すごいほのぼのしてて、ギャップに萌えたわ。」
「あ~、アンタ、最初からリヴァイ兵長目当てで調査兵団選んだんだったもんね。」
「あの人、結婚してんじゃねぇの?左手の薬指に指輪してるの見たぜ?」
「嘘…!?」
「あ~ぁ、失恋決定~。」
「うるさいな!いいの!見てるだけでも!!」
「ねぇ、リヴァイ兵長のお母さんってどんな人だったの?」
「すっごい美人だったよ!優しそうな人。さすが、リヴァイ兵長のお母さんって感じっ。
でも、似てはなかったかなぁ~。」
「お父さん似なのかな?リヴァイ兵長のお父さんとかめっちゃイケメンでしょっ。」
「俺、この間、酒場で親父と飲んでるリヴァイ兵長見たぜ?」
「リヴァイ兵長のお父さん!?似てるの!?眼光鋭い感じ!?」
「渋い感じ?背は高かったけど、顔は似てんじゃねぇの?
2人で黙々と飲んでて、なんかすげぇいい男同士って感じでカッコよかったなぁ。」
「私も見たかったぁ~。」
「それで!リヴァイ兵長はどこ行ったんだよ!?」
「だから、実家でしょ?」
「今日は非番じゃねぇだろ!?」
「あ、そっか。」
ハンジは、今日の予定を確認しているフリをしながら、彼らの話に耳を傾けていた。
とても無邪気な彼らの話がそのまま、あれからリヴァイに流れた時間の温かさを語ってくれているようだった。
彼らの話を聞きながら、ハンジはずっと笑いそうになる口元は書類で隠していた。
あの日から、リヴァイがの実家に顔を出すようになったのは、罪悪感からだったのだろうかー。
そんな風に思っていた時期もあった。
でもきっと、あれはそうじゃない。
お互いが、お互いを必要としたのだ。
だって、彼らは家族だからー。だから、一緒に乗り越えようと共に手を取り合ったのだろう。