【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第161章 ◇第百六十話◇起死回生の作戦【運命の決戦編】
ハラハラと長い髪が風に揺れて流れて消えていくー。
その向こうで、精鋭兵達は息を呑んでいた。
リヴァイ兵長は驚きで目を見開いた後、目を伏せて拳を握った。
彼らにも、私の作戦の意味が伝わったようだった。
獣の巨人は、リヴァイ兵長がいない騎馬特攻を本気に扱ってはくれないだろう。
でも、リヴァイ兵長は騎馬特攻には出せない。彼には、獣の巨人を仕留めるというとても重要な任務が残っている。
でも、騎馬特攻にはリヴァイ兵長がいなければ、囮作戦は成功しない確率が高い。
それなら、替え玉を使えばいい。
そう、たとえば、リヴァイ兵長の戦闘スタイルを真似するのが得意な兵士がいれば、最適だ。
「でも、髪の色が違うよ!きっとバレちゃう!
それでバレても、は無駄死にだよ!そんなこと絶対にさせない!」
最初に反対の声を上げたのは、ペトラだった。
その隣で、オルオは頭を抱えていた。
そのそばには、悔しそうに唇を噛んでいるエルドもいる。
みんな、分かっているはずだー。
「信煙弾を使って誤魔化せば、多少の色の違いは気づかれないよ。」
「じゃあ、獣の巨人に近づく前にが死んじゃったら…!?
辿り着けなかったら、意味ない!!無駄死にでしょ!?」
「そうなったら、獣の巨人にリヴァイ兵長を殺したと勘違いさせておけばいい。
油断したところに本物のリヴァイ兵長が来てくれたら、きっと驚いて倒しやすくなるよ。」
「…っ、そうかもしれないけど…!じゃあ、もしバレたらー。」
「バレたら、当初の予定通りに普通の騎馬特攻として行けばいいだけ。
リヴァイ兵長にはどっちにしろ、巨人を伝って獣の巨人に近づいてもらって討伐をお願いするんだから、
この作戦は、リスクは少ないはずだよ。」
「…っ、そうだけどでも…っ、が死ぬよ!!ほぼ確実に…、が死ぬ!」
「でも、新兵と精鋭兵の命はだいぶ救える。私は、出来るだけみんなを守りながら飛ぶよ。
まだ私達は敵を知らない。獣の巨人を倒しても、その向こうにきっと敵がいるかもしれない。
そのときに、出来るだけたくさんの戦える兵士が残ってる方がいい。」
「嫌だよ…っ!みんなを守って、はどうなるの…?
そんな作戦、嫌だ…っ。」
ペトラはもう、涙声だった。