【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第161章 ◇第百六十話◇起死回生の作戦【運命の決戦編】
エルヴィン団長とリヴァイ兵長は、これからの作戦についてを話し合っているようだった。
私が声をかけると、2人ともこちらを向いてくれた。
絶望と覚悟を瞳に宿す2人は、とても勇敢な兵士だと思う。
この後の世界にも、絶対に必要だと、思う。
「獣の巨人が誘き出したいのは、強敵のリヴァイ兵長だと思います。」
「だろうな。」
エルヴィン団長は遠い目で、獣の巨人のいる方を向く。
きっと、私が気づいていることに、彼も気づいているはずだ。
それでも、最後の博打に出ようとしているのか。
それとも、最後の最後に、命の選別をしてしまったのかもしれない。
ずっと共に戦ってきたリヴァイ兵長の心を、守るためにー。
「もしここで、騎馬特攻作戦に出ても、そこにリヴァイ兵長がいなければ、
獣の巨人はきっと、何か裏に作戦があると気づくんじゃないでしょうか。」
ストヘス区での戦いで自分を追い詰めたリヴァイ兵長のことを、獣の巨人は最も危惧しているはずだ。
そして、恐らく、獣の巨人は、自分のいる側にリヴァイ兵長がいることを知っていると思われる。
あの四足歩行の巨人が、すぐに教えているだろうからだ。
だから、私達が何かの作戦に出れば、獣の巨人はまず、リヴァイ兵長を気にする。
「もし、作戦の内容まではバレなくても、これが囮だと気づかれたら
新兵も精鋭兵も、エルヴィン団長も無駄死にです。」
「そうかもしれないな。」
「エルヴィン団長、リヴァイ兵長を騎馬特攻の前線に出しましょう!」
私の提案に驚いたのは、エルヴィン団長だけではなかった。
そばにいた精鋭兵達も、そして、リヴァイ兵長も言葉を失っているようだった。
そうだろう。
私が一番、そんなことを言わないはずだったからー。