【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第159章 ◇第百五十八話◇運命の日の前夜も貴方を愛する【運命の決戦編】
シガンシナ区決戦前夜。
肉にハシャぎ過ぎたエレン達がリヴァイ兵長から猛烈なパンチを食らってからいくつか時間が過ぎていた。
窓の外では、今夜も月が優しくこの世界を照らしている。
「俺のために白いドレスを着てるを見れるまで、あと少しだな。」
ベッドの上で、生まれたままの姿でリヴァイ兵長の膝の上に跨る私を白いシーツが優しく包み込む。
明日が終わって、それから、巨人を駆逐してー。
そしたら、この白いシーツがいつか、白いドレスになるー。
私も、リヴァイ兵長の背中に手をまわした。
汗ばむ肌が、さっきまで熱く交わっていた時間を思い出させる。
「結婚式は、海がいいな。」
「あぁ、いいな。海でしよう。
俺が必ず、お前を海に連れて行ってやる。」
「ふふ、楽しみです。」
「俺もだ。」
どちらからともなく唇を重ねる。
そっと唇が離れれば、リヴァイ兵長はいつものように私の髪に指を絡めて遊び出した。
くすぐったそうに笑えば、リヴァイ兵長の目がもっと優しくなる。
「本当に切らなくていいのか?邪魔にならねぇか。」
「ダメですよ。結婚式のときに可愛くヘアセットするのには、髪が長い方がいいんです。」
「そんなもんなのか。」
「そうですよ。それに、リヴァイ兵長に髪の毛で遊んでもらうのが好きなんです。
ずっとずっと、遊ばれるために、伸ばすんです。」
「なんだそりゃ。」
リヴァイ兵長が可笑しそうに口元に小さな笑みを作る。
最近、少しずつ増えてきた笑顔が、私をもっともっと深みにはめていく。
どんどん愛おしくなって、愛していく。
こんなに誰かを愛したことはないと、誰よりも深い愛だと信じていた私に、この愛の深さに終わりはないと教えてくれる。
だから私はー。
「必ず、生きて帰りましょうね。」
「あぁ、生きて帰ろう。そして、帰ってきたら結婚式だ。」
ギュッと抱きつけば、リヴァイ兵長も強く抱きしめてくれる。
あぁ、とても安心する。
生きて帰りたい、必ず生きて帰る。
私に心から誓わせてくれる。