第4章 メリークリスマス
元旦。
今日から酸素は苦しくなった時だけになって、点滴と白湯になった。これから、普通にご飯を食べる練習して、リハビリして、退院する。
両親が剛士くんにめちゃくちゃお礼を言っていて、後から駆けつけたB-projectメンバーに鼻血を出して感動していた。
「ゆかりのお母さんは、僕のファンだと伺ってます。いつも応援ありがとうございます。」
「ゆかりも、僕のファンになってくれてもいいんだよ?」
わたしにパチッとウインクする倫毘沙くん。
「おい!北門。」
「トーモー。剛士うるさいんだからそーいうの辞めなよ。」
「ごうちんはおこりんぼだからね〜?」
「子供だな、剛士は。」
「お前らな〜。」
からかってくるTHRIVEとキタコレに威嚇してる剛士くん。
「みんな、年末ライブお疲れ様。めちゃくちゃかっこよかったよ。」
他愛のない話して、みんなと楽しく話してる時、息が乱れて、手が震えてきた。
見逃さなかった剛士くんが、天井からぶら下がってる酸素マスクを取ってわたしに当ててくれた。
「ゆかり、少し疲れたんじゃねぇか。眠ってろ。」
「ん…はぁ…はぁ…」
剛士くんと手を繋ぎながら、目を閉じた。
「なーんか見せつけられた感じ〜。」
「そうだな。行こうか、リュウ。」
「ごうちん、ゆかりちゃん、まったねー!」
「ゆかり、お大事に。みなさん、よろしくね。」
「チッ…あいつら。」
「では剛士くん、心苦しいですが私たちはそろそろ赴任先に戻ります。何かあればすぐに連絡くださいね。」
「娘をよろしくね。」
「はい。任せてください。」
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次の日、剛士くんは年始特番の生放送に出ると言って局へ出勤していった。
わたしは剛士くんの頑張る姿を見て、自分もリハビリや病院での生活を頑張ろうと心に決めたのだった。