第2章 化け猫登場!
学校の帰り道、健治はいつもと違う近道を見付けようと思い、人気の無い寂れた神社の境内に入った。
「…この神社ってたしか…お化けが出るとかって噂があったよな…」
風が枝を動かす音にもビクッとするくらい静かで不気味な雰囲気があった。そのほの暗い境内を健治は小走りで通り抜けようとした。その時、ポンって音と共にそいつは健治の目の前に突然現れた。
「ゴロニャー!」
「猫!?」
しかし猫にしては健治と変わらないくらいの大きさで、見た目もかなり派手だ。
「なっ、何だ!コイツ!?」
「我は招き猫ニャ!」
「しゃ…しゃべった!?化け猫!?」
健治はそのあまりの出来事に尻餅を搗いて、そのままずるずると後退りした。しかし化け猫は健治に真っすぐ近づいて来た。
「寄るな!来るな!」
健治は持っていた鞄を盾にして抵抗しようとしたが、化け猫は健治の前で立ち止まった。
「お主、柿崎六郎の孫の健治ニャろ?」
「へっ?…なんで?…じいちゃんや僕の名前を…?」
その化け猫はじいちゃんと健治の名前を知っていた。