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【金城剛士】超感でぃすてにー【B-project】

第1章 春


「なにか分からないことがあったら、いつでも連絡してね。」

連絡先を交換したあと、夜叉丸さんは颯爽と去っていった。
私が住むことになった管理人室は、8畳ほどのワンルームで、マットレスがついていた。思ったより広かった。

「今日は、色々なことがあったな…」

着ていたスーツを脱ぎ、キャミソールとブラとパンツだけになる。
気づけば、外はもう夕方だった。
疲れていたらしい私の体は、マットレスに沈んだ。

✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩

「女の子が寝てるーーー!!!」
「はる、起きちゃうよ…」
「ええ?!か、勝手に入ったらダメだよぉ〜!」
「ん?俺、このひと知っている。」

会話が聞こえて目を覚ませば、(デジャブ)
そこには綺麗な4つの顔。
昨日、いつ寝たか覚えてないや。鍵かけ忘れたんだ。

ぐぅ〜。

「お腹すいた……」

そういえば昨日は自販機で買ったエナドリ飲んだだけだった。

「これ…あげる。」

黒髪の男の子が差し出してくれたサンドイッチを受け取る。
美味しそう…いい匂い…わたしもシャキシャキレタス好き…

「ありがとう…もぐもぐ…おいしぃ…」
「可愛い〜。俺、遙日!コッチは唯月っ!これもあげるっ!」

遙日くんがツナマヨのおにぎりをくれた。サンドイッチをくれた子が唯月くん。命の恩人。覚えた。

「てか、服着ないと〜!僕、明謙。コッチの大きいのが、弥勒ね。」

明謙くんは自分のパーカーを肩に掛けてくれた。
そーだ、服ないから、スーツがシワにならないように脱いで寝たんだった。

「昨日、会いましたよね。」

ごきゅっと飲み込んで、弥勒くんの顔をまじまじと見つめる。

「ん!!河川敷で!!その説はありがとうございました。」

深々と頭を下げた。

「病院行ったんですか?」
「いや、行ってない。てか、仕事クビになって住居失ってショックで倒れてただけ。」

あながち間違いでもない大嘘。
みんな目を丸くして驚いている。ごめん。

「だから、今日からここの管理人兼寮母さん?になった。遠藤 ゆかりです。よろしくね!」

みんないい子でよかった。この子達となら仲良くできそうだ。
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