• テキストサイズ

ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第13章 タタリネコ








最初に見える"しら○ぎ座"と暖簾が掛かった一軒にぼんやり歩みを進めながらも入口で貰ったパンフレットを広げれば

傷ついたしらさぎが温泉の場所を教えたという下呂に伝わる伝説を影絵で上演する日本で唯一の常設影絵劇場、と書いてあり俄然興味津々に歩き出した私だったのだが



「沙夜子、そっちには寄らないよ。」



いきなり手首を掴まれ私は危うく転びそうになった


彼がしっかりと掴んでくれていたから赤っ恥は欠かずに済んだけれど


寄らないとは………一体…………?


口に出さずとも私は露骨に怪訝な表情を浮かべていたのだろう

気だるく細められた双眼が溜息と共に此方へ視線を落とす



「白川郷へは後日寄る予定だし此所にあるのはあくまでも白川郷や他所から移築され、再現された物だ。後に見るんだから今回は時間の都合上寄らない。」


「………え、せっかく入ったのに………?」


「体験が目的だろ。」


「でもでも!此所にある物は此所にしか無いんですよ?!」


「でももだってもない、行くよ。」


「えー!!!」



THE計画性のある男イルミさんはごねる私を簡単に引き摺ってぐんぐん進む


これじゃあ本当に子供みたいだがてっきり存分に楽しめると思っていた私にとってはガッカリする他無かった

彼の説明を聞いて頭は納得していても、やはり此所にある物は此所にあるから違う価値があり

また違った魅力があるのでは……なんて思うのだ





/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp