ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第12章 瓦、彼方へ
「イルミさんは何書いたんですか?」
「秘密。」
「……えー見せてくださいよー!」
私は七夕の願いに彼の事を願った
そして彼はしっかり届けたい願いだからとハンター文字で私の事を願ってくれていた
あの短冊は私が彼の世界へ行く決心をくれたのだ
大きな手に瓦を隠して少し眉を潜める彼にすがり付けば彼は大きな溜息と共に胸に秘めている願いを見せてくれた
【これからも沙夜子と過ごす】
几帳面で綺麗な字体ではっきりと書かれた願いは彼らしいぶっきらぼうな一文で
チラリと見せてもらっただけで目敏く読み取り瞳を輝かせる私を前に
彼は照れ隠しにしたって素早過ぎるスピードで瓦を投げ飛ばしてしまった
…………驚くべきはその飛躍力……………
「…………………え、どこまで行くんですか…………?」
「知らないよそんなの。」
一体何処まで飛んで行くのか彼の投げた瓦は鳥居を潜り抜けた後、鳥にでも成ったみたいに青い空の彼方へと飛んで行ったのだった