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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第39章 持ち切れない愛とありがとう









「うそ………うそっ!?親方!!起きて親方……っ!!!!」




焦りながらもそっと手のひらに乗せた体は変わらずフワフワなのに……すっかり体温を失ってしまったみたいに温もりが無い……


途端に滲む視界と蘇る記憶


………そうだ……そうだった……





「イルミさん来て……!!!親方また冬眠してる…………!」



私が振り返る頃には彼は私の傍に立っていた


私の手のひらに落とされた眼差し


少しの間を置いて



「違うよ沙夜子、親方は死んだんだ。」



彼は私を真っ直ぐに見詰めながら言った


途端に溢れる涙をそのままに叫んだ私だが



「違うよ"!!!ちゃんと見て!!!」



親方にスッと手を伸ばした彼は



「冬眠の時とは違って心肺が完全に停止してるし脈拍もない、親方は死んだんだよ。」


ただ冷静にそう告げた




昼間の親方は元気だった

おやつに大好物のひまわりの種を食べて、沢山回し車で遊んでいた

夕方見た頃は寝床をホリホリして眠っていた

私は何かお世話をする用が無くても毎日毎日親方の事を見て話しかけていた


親方が初めてこの家にやって来たその日からずっと……………





「うそ…………うそやろ……っ……嫌や"っ……親方……起き…てっ!!!」







まだ今よりも小さなハムスターだった親方に運命を感じたその日、私は親方が快適に暮らせる為に必要な物を一式揃えて帰宅した

勿論命を育てるのだから、ハムスターの飼い方なる本も購入して勉強した

そんな当時の私の一人暮らしのアパートには奇妙な同居人がいた

異世界からやってきた暗殺者の彼はどうやら親方が気に入らないようだった

そんな2人に仲良くなって欲しくて親方のご飯係を彼に任命し、いつしか彼は親方と小さな絆を育みハムスターで初の芸を仕込んだり………




だけど彼がいなくなってしまって流しても流しても枯れない涙の中



私を支えてくれたのは親方だった



ただフワフワで可愛らしく眠る姿に

寝床を掘るプリプリのお尻に

頂戴と伸ばされた小さな手や好物に膨らむ頬に

私を見たら傍に駆け寄る姿に

元気だぞ!とばかりに回されるお気に入りの回し車の音に



怖くて寂しくて心細いまま進んだ異世界でも親方はずっとずっと私を支えてくれた







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