ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第37章 彼がドレスを脱ぐ時は
やった……………やったぞ!!!!!!
グッジョブ私!!!!!!!
途中挫けそうにもなったけれど諦めずに頑張って良かったッ!!!!!
両手に拳を握って何度もガッツポーズをしてしまうくらいには大いに歓喜乱舞していた私だが、そうしている内に視界に写った光景にクラリと目眩がした
すっかりドレスを身に纏った彼が洗面室から一歩を踏み出した姿があまりにも美しかったのだ
見立て通りピッタリサイズだったドレスは彼の為にあつらえたと言われても違和感が無く、黒いレースに隠れた筋肉は逞しさが緩和され、ダークネイビーのドレスがスラリと長い丈を揺らして深いスリットが脚の長さを強調していた
洗練された姿勢、凛と冷たさを含む雰囲気、人形のように整った顔立ち、サラサラと流れる毛先まで何処を取っても完璧で
噎せ返る気品と美貌に圧倒されて立ち尽くす他ない私は、今にも「女王様!!」と叫んでかしづきそうになった
目の前で立ち止まった彼を見上げて私は暫く見惚れていたのだが、バシンと両頬を叩いて気合いを入れる
このままだと何時間でも見惚れてしまう
私が次に彼にしたお願いは「口紅を塗らせて」だった
すんなりと椅子に腰掛けた彼に向き合って真っ赤な口紅を開く
指先でそっと彼の頬に触れて顎を掬い上げ、薄い唇に赤い色を乗せた
以前彼にメイクをして思った事、彼の瞳は何をせずとも大きくて印象的で肌はファンデーションをするのが勿体無いくらい滑らかなのだ
だから彼の顔を飾るなら口紅だけで十分で
睫毛を伏せていた彼がそっと瞼を持ち上げた時、私は全身が熱くなるのを感じた
赤く染まった唇が透き通る陶器のような白い肌を一層際立たせていて、何とも耽美な表情がどこか危険な香りを漂わせていたのだ
「あ、あの次は髪をまとめてください!」
「うん。」
声を裏返しながらも伝えた言に彼はすんなりと頷く
手渡した髪留めで髪をまとめ上げた彼は普段に輪を掛けて中性的で本当に男性なのか疑わしい出で立ちで此方を見詰めた