第36章 あたたかな昼下り

クリクリの癖毛は私に似ているけれど黒より黒い漆黒の髪色は彼に似ている

全体的な顔付きは私に似ているけれど猫目がちな瞳の雰囲気は彼に似ている

鼻だって赤ん坊の頃の私よりスッとしているからきっと彼の鼻筋を継いでいる

まだまだ赤ん坊で綺麗な肌の色合いも彼に似て色白だ


なんて語った私と娘をまじまじ眺めていた彼は不意に頬を緩めると




「愛菜は沙夜子と本当に似ているから将来可愛くなるだろうね」




なんて呟いた


途端に熱を帯びる頬、心臓は最早動悸みたいなけたたましい音を立てている


つまり彼は私を可愛い前提で………うおおおおおお！！！！！！


今にも身悶え雄叫びそうなのを必死に堪える



………だけど一番に胸に込み上げたのは何とも言えない誇らしさだった


彼と人生を共にすると決めて世界を渡り沢山の不安を乗り越えて誕生した小さな命は、間違いなく私と大好きな彼の面影を引き継いでいるのだ





「いえっイルミさんにも似てますから私なんかよりとびきりの美人さんになりますよ！！！」


「凄いヨダレ垂らしてるけどね。」


「うわ"ー……くらえヨダレ爆弾！」



「本当やめて。」