• テキストサイズ

ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第35章 ソニの村の人々








深い密林を抜けた先に広がっている草原は広く、そこには高床式の木製家屋が建っていた

ニック曰く1組6〜10人程度の家族が17組住むこの村は現地の中でも比較的規模が大きく、観光客や余所者にもフレンドリーで穏和なんだとか

このソニの村にはニックの友人も沢山住んでいるそうで、そこかしこの軒先でキャッキャと水遊びする子供達の姿からほのぼのとした気持ちになった



「ちなみに他の村はフレンドリーじゃないの?」


「他のムラはニックみたいなガイドがイタラ大丈夫ケド、ヒトリで行ったラ弓矢でグサダヨ〜」


「へ、ヘェ〜………」





のほほんとした普段の口調で紡がれた言葉にほのぼの気分が崩れ去る




………弓矢でグサ…………??




私は今しっかりと笑えているだろうか……「アレはネ〜」なんてガイドを続けるニックに相槌を打ちながらも、私には今から始まるパニックホラー映画の導入にしか思えなかった



ジャングルの奥地で食○族に……的なパニックホラーにありそうな展開が現実で起こり得る状況に膝が盛大に震える


い、いや別に人を食べるとは一言も言われていないけど弓矢で撃っている時点で何かありそうで怖くて聞けない……ッ!!

しかもそういう映画で襲われるのは文化に疎い観光客か好奇心がイカレた探検野郎


………私は間違いなく前者である




隠しようも無く震える膝に視界がブレる



私はジャングルの脅威に虫や動物ばかりを考えていたけれど、そこに人怖まで追加されてはトラウマなんてレベルじゃない

嫌いな場所が即決でジャングルになり最早アレルギーになってしまいそうだ!!


私は死ねない………まだまだ死ねない………愛しい我が子の寝顔が脳裏に浮かぶ



私が何故ここまで安全だと説明を受けた村に怯えているのかと言うと、単に観光客として来たからでは無く彼の仕事の付き添いで来たからである

ただの観光客として2人で訪れていたならこんなに震える事は無かった

彼の目的はあくまでも仕事……つまり必然的に私にはこの村で1人になる時間が訪れるのだ………

そんなの震える程心細いッ!!!!





/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp