ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第4章 儀!!
結婚式はめでたい席だ
しかし3日から7日間も式を挙げ続けるなんて狂っている………!!
何回も式を挙げる大富豪だって数日間に渡る式なんてしない………!!
しかし彼は尚も無機質な表情を崩さずに続ける
「恩師がいるなら恩師も呼ぶし……あと一応友人とかいうのも呼ぶだろ。」
「恩師?!?!」
「あとは会場になる沙夜子の実家だけどさ、諸々の費用は俺が持つとして紅白のリボンとかトラック持ってる?」
「…………実家………?………紅白のリボン…………?」
「嫁入り道具をトラックに積んだ時に紅白のリボンで固定するんでしょ。」
「………………」
私は静かに彼の読んでいた分厚い本を持ち上げて崩れた
【日本の結婚式の歴史】
…………考えて見れば始めからおかしかった……………
嫁入り道具を紅白のリボンで固定だなんて………実家が会場なんて………ッ
3日から7日間の婚礼の儀なるそれはまだちゃんとした結婚式の無い江戸時代から明治頃迄続いた昔の日本の儀式だった
昔の日本が題材の映画なんかで何度か見たことのある襖を取り払った広い和室にて親戚と食事をしているあれである
三面鏡が嫁入り道具のマストだった古き良き時代……………
…………時代錯誤も甚だしいッ!!!
「沙夜子、寝た?」
なんて間延びした声を漏らす彼に乾いた笑いで肩が震える
……こんなタイミングで私は眠らない
むくりと上体を起こした私に尚も化石と化した婚礼の儀の話を切り出す彼の手をそっと握る
「何?」
なんて言いながら私の様子を伺う彼に私は慎重に言葉を選びながら真実を伝えた