ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第29章 はじめまして
08月03日
「うあああああああ"無理無理無理無理……………!!!!!〜〜〜っ…………………あかん!!!うあ"ーっ!!!!」
強い痛みに襲われて何も考えられず自分が何を叫んでいるのかなんて至極どうでも良かった
それが陣痛だと気付いたのは穴が開く程読み込んだ本の通り痛みが一定間隔で襲うようになったからだ
遂に来たその時を前に随分狼狽えた私は直ぐにランさんを呼び、助産師さん装備万端の彼女の姿に心臓が爆発しそうだった
それでもヘラヘラしていられたのは痛みが思っていたよりも我慢出来る程度だったし陣痛……乗り越えられる……!と余裕をぶっこいていたのも束の間
本格的に痛みが襲い始めてからただ痛いという感覚に支配されて何も思い出せない
格好が恥ずかしいとかそんな事もどうでも良くてただ痛みから逃げたい一心で掴んだタオルを私は容易く破った
中指の生爪が剥がれているのが見えていても何のリアクションも無いくらいただただ痛くてこのまま死んでしまうんじゃないかと思った
助けて……
__________"
「沙夜子ちゃん!息んじゃダメ!!深呼吸!!!」
元教え子から連絡があった時は驚いた、本気であの子を手に入れる気でいたあの日以来もう会うことも無いのだろうと思っていたから
『沙夜子の子を取り上げて欲しい。』
仕事の依頼だと言い渡された内容には更に驚いた
あの小さかったかわいいイルが1児の父になろうとしていたのだ