ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第24章 私達
11月
私達は式を挙げた
私達が初詣をした小さな神社で和装の挙式
協力的ながらも結婚式の主役は女性だと私の思想を遵守してくれる彼に私はこんな希望を伝えた「盛大な挙式より静かで厳かなものを」
私達の特殊な出会いや(自称)壮大な再会ラブストーリーは普通じゃ誰も信じてくれない驚きに満ちていた
それはそれで一生味わえないものだけれど人生の節目には特別ながら身近で少し安心するような……そんな平凡なものが良いと思ったのだ
彼はそんな私の希望をすんなり快諾してくれた
私が浮かれに浮かれていたのは言うまでもないが、人生で初めて袖を通した白無垢は我ながら凄く似合っていた様に思う
流石日本人と言った所だろうか
一方異国をすっ飛ばし異世界人の彼はと言えば辺りが静まり返ってしまう程に袴姿が良く似合い、見目麗しい気品を存分に発揮した
私は本当にこんなパーフェクトビューティーの妻に?!?!?!なんてそんな場面ですら狼狽えて
白無垢姿じゃなければ境内の砂利で転げ回る勢いで身悶えた
「#♪@☆~~~~~~っ!!!!!!」
「…………………。」
そんな私に深くため息を付く彼は普段と何も変わらず
呆れた視線を送った後に少し表情を緩めて
「綺麗だね。」
私の心臓を仕留めに掛かった
粛々と始まった式に参列したのは家族と学生時代からの友人が数名
その中には藤木の顔もあった
この世界に戻った後彼を紹介した時には皆驚いていたけれど心から祝福してくれているのが伝わって私は痛く感激した
静かな神社の境内で皆に祝福されながら私は強く彼と歩む人生を誓い
ふと目が合った母や父の表情に思わず涙した
色々な感情や思い出が溢れて止まらない
涙に小さく肩を震わせる私の手を彼の大きな手が包み私達の特別な人生の節目は沢山の温もりの中静かに終わった
ちなみに藤木は新しい年上彼女に首ったけの様子で最近では私より彼への要件が増えた
何でも彼女を虜にすべく彼に弟子入りしたとか何とかで
彼にはクールにあしらわれているものの幸せそうで何よりだ