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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第24章 私達







4月のある日



私達は桜が咲き乱れる公園で平日の昼間からピクニックをしていた


ハラハラと風に舞う花弁を視線で追いながらいつの間にかすっかり春なのだとぼんやり思う


季節が移り変わるのは本当にあっという間だ


特に去年から今年に掛けては大変に目まぐるしく思う


私と同じ様に花弁を視線で追っていた大きな瞳と目が合えば私の頬は桜色に染まって

彼はそんな私を真っ直ぐに見詰めたまま少し目を細めた

その長い睫毛の動きが繊細で思わず息を飲む一時

彼の視線はそのまま下に落ちてパクリと一口おにぎりを頬張った



「………おかか。」



感想でも報告でもない何処か間の抜けた声に小さく笑った私は具沢山に詰まったお弁当箱を眺めながらスンと真顔になった



「……………………トイレ行ってきます」


「……うん。」



急に催した便意


タイミング的には最悪で


しかしながら多少我慢するという選択肢が無かったのは最近もっぱら便秘気味だからである


今のタイミングを逃せば便秘のペースに乗せられてしまう………いや、既に乗せられているのかもしれないが


誤魔化す様に「へへっ」と笑った私を彼は淡々とメンチカツを噛りながら見ていた



何も今じゃなくったって………自宅なら良かったのに………






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