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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第20章 食事の合間のお喋りは







私達は同じ店で各々決めた数の衣服を買った

正解には彼が買ってくれたのだが

質は良いにしてもリーズナブルなブランドの衣服の筈だ


しかし何故だろう………彼が身に付けると途端に様になってしまって


彼は無地の白いロングTシャツの上から黒ジャケットを羽織り少しタイトなジーンズにスニーカーを合わせたシンプルな格好だ


V字の襟元からチラリと見える贈り物のネックレス越しに透明感のある肌が控え目に覗いていて

スラリとした脚の長さも何故そんな所に腰があるのだと問い正したくなるスーパーモデル体型

モノクロのコントラストは美人とも取れる中性的な顔立ちを際立たせていて、いつもより一段と漂う彼特有の潔癖な美貌



……………全ての物が彼に合わせに行っているとしか思えない……………


シンプル・イズ・ビューティフルなんて馬鹿な単語がぼんやり浮かびながらも車のキーを片手間に閉めた彼を前に身悶えるでも無く、私は最早脱帽していた



立ち尽くしたままの私の前に彼が悠々と足を止める



「何してるの。」



右手で私の顎を持ち上げて頬を挟まれてしまい唇がムニュっと突き出した

彼は私をそんな間抜けな状態にしておきながら実に淡白な態度で見下ろし、首を傾げている



「変な顔。」



そりゃそうだ………だって私は醜態を晒しておきながら乙女心がときめいて忙しないのだから


クスリと笑って頬を解放した彼に心臓を射抜かれてしまって


「………っ変にしたのはイルミさんでしょ!!!」


ドキドキと爆発しそうな胸に裏返った声で必死に叫んだけれど



肩越しに振り返った彼はいつもの調子で「行くよ。」と瞳を僅かに細めた





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