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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第3章 野菜炒めとシンパシー







「……………令和…………令和ってどう思います………?」


「どうでもいい。」


「令和かぁ……………あ、これとかどうです?」


「………それにしよう。」



彼が選んだ棚は小ぢんまりとした木目風のシンプルな物だった

普通に考えて段ボールは嫌に決まっている

今まで申し訳なかった………




大量の日用品と食材、そして棚を肩に担いだ彼の姿に私も荷物持ちをと名乗り出るも全く取り合って貰えず


帰りの私達……主に彼は、まるで中国雑技団の様に実に器用にバランスを保ち自転車での完走を果たした



部屋の片隅で彼は段ボールの中身を整理して私は歯ブラシやシャンプー等を片付けている


各々が各々で作業する時間には心地好い沈黙が広がり


沢山買い込んだ食材に今夜は何を作ろうか……なんて思えばニヤニヤと口元が緩んで鼻歌だって歌ってしまって



今この何気無い瞬間が幸せで仕方がない




「イルミさんコーヒー飲みます?」


「お願い。」




マグカップをちゃぶ台に置いて、すっかり手持ちぶさたになった私は久しぶりに広がったココアの甘味に幸福の溜息を漏らした


視界には黙々と荷物整理に勤しむ彼の背中


カラカラとご機嫌に鳴る回し車の音を聞きながら穏やかな午後に2つ並んだマグカップが湯気を上げた




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