第78章 依頼人/裏
言って聞く女でない事はわかっているが こちらもそれ程余裕はない。リネルの目尻から落ちる小さな涙が やたら小気味良く見え 欲望を煽られる。腰が自然と揺らいでくる。
快楽のまま口の中を貪っていると リネルは明らかに威嚇を示す強度で歯を立ててくる。イルミは不快に眉根を寄せ、リネルの口唇を解放する。とろんと零れる唾液が淫らにリネルの唇を濡らした。
「っ、けほ…」
「何すんの」
「こっちの台詞、だよっ」
負の色を宿す目で睨んでくるリネルの身体を 乱暴にベッドに押し倒した。
鎖骨を半端に隠す寝着のゆるりとした襟元に指先を引っ掛け、それを一気に引き下ろせば ふるんと揺れる白い膨らみが顔を出す。ますます焦る顔をするリネルの柔らかなそれを下から強めに揉み上げ、色付く突起に歯を寄せた。
「…っ、痛…」
「仕返し」
チクリと噛み付いた後、舌を使って優しく舐めてやる。
感度が良くなるのか、背を逸らす仕草と顔を歪めるさまはどう見ても快感を追う女の姿である。それなのに 一向に抵抗をやめようとしないそのしつこさは、イルミを更にその気に駆り立てる。
唾液に濡れた突起を指先で丸く捏ね、もう片方の突起を口内に沈めてみる。そこはすでにきゅんと鋭敏な硬度を保っている。
「イルミだめっ、やめて」
「そう言われてやめると思う?」
「っ、」
上下の唇の中に収まるそれを 舌で転がし、時折くちゅっと吸い付いてみる。リネルの口からはいよいよ余裕のない声が聞こえてくる。
「はあっ、や、だめ…ダメっ」
「何が?こんなに硬くして」
「違…っ、」
刺激に耐え、ぎゅっとシーツを握りしめるリネルの手元が視界に入った。