第78章 依頼人/裏
「っ、冷た……っ」
「これでリネルも十分酒くさいよ」
「信じられないっ 何すんの酔っ払い!」
グラスに残っていた酒をリネルにかければ予想通り、思い切り怒りを見せこれでもかと睨み付けてくる。
イルミは 水滴の伝うリネルの喉元に構わず顔を埋める。香り立つ酒を舐めとれば 反射的にリネルの身体にピクンと緊張が走る。
一瞬だけ小さな吐息を漏らす様に無性にゾクリとし、匂い立つ首筋に甘く噛みついた。
「っ…やめて」
頭を押さえ執拗に首元への愛撫を繰り返した後、上半身を起こし リネルに冷たく言い放った。
「舐めてよリネル」
「…え…」
リネルは顔を固まらせる。それでも口先だけでは 健気に反論を述べていた。
「や、やだっ 絶対やだ」
「いいから舐めて」
「やだってば!」
「静かにしないとリオンが起きるよ?」
名前を出すと 急に動揺するリネルの唇を 指先でつっと辿り、口内へ指を滑り込ませた。ぬるりとした舌を肌触りを確認すると 身体の中心が一気に熱を増大させる。
前を緩めて反り返るモノを取り出し、リネルの胸倉を掴み身体を起こさせる。焦る顔の前に自身をつきつけ、指先でリネルの上唇を撫でた。
「良くしてよ ココで」
「ん…っ…ふ、っ」
指を抜き 口の隙間からソレを半分程押し込んだ。舌で異物を押し返そうとしているのか、閉鎖された口内の感触が堪らず 酒でベタつく後頭部を掴み一気に奥まで腰を進めた。
ぎゅっと目元細め身じろぐリネルを無視したまま 酒に濡れた後ろ髪を握り締めた。
「熱 リネルの喉の奥」
「んん、」
「そのままじっとしてて」
「っ……」