第69章 休日デート/ほのぼの
晴れ渡るある日の仕事オフの休日。家族連れや恋人同士、同性同士のグループ達、ざわざわと楽しそうな話し声があちこちから聞こえてくる。
「リネル」
「んっ?」
「こんな所に来たかったの?」
「うん。初めてきた」
「子供じゃないんだから」
「だって来る機会ないと絶対に行かないし」
仕事を無事に終え 何とか休みを合わせたイルミとリネルは、リネルたっての希望でハンターランドなるテーマパークにいた。
何のことはない普通の遊園地ではあるのだが ハンター協会による100%出資で作られたこのテーマパークは、その名に恥じぬよう凝った作りをしており、ハンターに憧れる子供はもちろん 大人でも楽しめる人気スポットであった。
本パークの知識としてはそれなりにあるが リネルは実際ここに足を運んだことはなかったのだった。
「わぁ平日なのに結構人いるね~」
「世の中には暇な人間が多いんだね」
この場に並んで立っているのが不思議に思え 隣のイルミを見上げた。
今日は世間的には一応デート、せっかくもらった休日である。
1日を楽しく有意義に過ごしたいと心に留めた。
イルミが興味深そうにいつになく回りを観察する様子に リネルは首を傾げた。
「どうしたの?何か面白そうな物でもあった?」
「こういう場所って場合によっては仕事にも使えそうだなって」
「…ここ一応夢の国って言われてるんだけど」
「一般人がターゲットなら目くらましになって殺りやす
「なんかそういうアニメとかありそうだけどさ、実際に殺人が起きたらえらい騒ぎだよ。ほんとやめて」
食い気味にそう言った後、リネルは少しだけ口を尖らせた。