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【ヒロアカ 】変態に好かれても良いことなんてない!【轟焦凍】

第12章 合コン行かない?



そして数日後、今日は合コン当日。
結局轟社長が送り迎えしてくれてたから仕事帰りに洋服を調達するのを早々に諦めて合コン用の洋服を背格好の近い安本さんから借りる事にした。

貸して貰ったのはネイビーのワンピース。
七分袖のサイドに白いリボンがついててスカート丈は膝上15cm。着てみると意外と体のラインがぴったり出る素材で、なんか着てくのが恥ずかしくなったけどせっかく借りて尚且つ貸してくれた本人も参加する合コン。
着ていかないのは流石に失礼に当たるから着ていくけど…

『んぐぐぐっ…後ろのファスナーがっ…!』

細身な安本さんと違ってぽっちゃりな私。
背中のファスナーが上がらなくて10cm程空いている。

ギチギチっ…

背中のファスナーから嫌な音がして私の口から咄嗟に『ひっ!』と小さな悲鳴が上がる。

『これ、壊れないかな…大丈夫…かな?』

ゆっくりファスナーを下ろしてからもう一度上げてみるがファスナーはまた同じところで止まる。

『…どうしよ』

空いてる所から先に進めるように左手で両端の間隔を詰めながらゆっくり上げていってやっと上まで上がってくれた。

『よっし!…でもこれ、お腹苦しい…』

ファスナーを上げ終えた私は、姿見でワンピースを着てる自分を見る。ワンピースはピチピチ…特に胸元がパッツパツでVネックの襟元から谷間が見えてる。

『これで良いのかな…?』

不安に思いつつも時刻は刻一刻と迫ってくる。

私はストッキングを履いて、自前のSamanthaの白いハンドバッグを持った。

実は靴も借り物。
安本さんと靴のサイズが同じだと分かって、安本さんのチョイスに任せて借りた靴は何と白のエナメル質の10cmハイヒール。

生まれてこの方、この高さのハイヒールなんて履いたことが無かったからちゃんと歩けるか不安で仕方ない。

『まぁ、靴擦れ防止にカカトに絆創膏貼ってあるし…』

ハイヒールと言うよりピンヒールに近いそれに足を入れるのが少し怖かったり…しかも借り物だから余計に怖い。

とりあえず行くしかないと思って借り物の靴を履いて家を出る。

この格好で原付運転できるわけもなく、風花駅まで歩くがこれはもう歩くというよりリハビリに近い。

履き慣れない靴に足がガクガクして前に進むのも一苦労。

履いてるのではなく履かされてるってこういうことを言うんだと思う
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