第3章 今日も夜が来る/小話集め
9.花束/シャルナーク
「オトナの女性って真っ赤な薔薇の花束貰ったらやっぱり嬉しいもの?」
手際良くアルコールを作りながら 聞いてくるシャルに つい本音を返した。
「実際、タイミング外すと寒いし持ち運び大変だし難しいよね~」
ピロリロリ♪
鳴った携帯を開くと一件のmailが届いている。
「…薔薇?…の画像?」
「うん プレゼント。これなら携帯するにもお手軽便利かなって」
可愛く笑っているが そもそもなぜ私の連絡先を知っている。
コイツ、愛らしい仔犬のフリをした狼なんじゃないかと思った。