第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
『お前のこと嫌いじゃないけどさ、普通ってか真面目ってか…一緒にいてつまんないんだよね』
そう言われ人生初めて付き合った彼氏にふられた。
人並みに落ち込んでいた。
そんな時、先輩のリネルさんに半ば引きずられるように連れて来られたのは、真面目に生きてきた私には眩しすぎる世界だった。
地下深くに下るエレベーターを降り キラキラ輝くミラーボールが回る店内に入った。
するとリネルさんは出迎えてくれたお気に入りらしいヒソカってホストに抱きついた。
「ヒソカー!久しぶりー!会いたかったぁ」
「ボクもだよリネル 最近顔見てなかったから寂しかったよ」
「忙しくてね〜 はいこれっ順位昇格のプレゼント!」
「おや ありがとう。それもリネルのおかげだよ」
さらりとした髪と切れ長な瞳が印象的なやたら美形のそのホストは、私に視線を回してくる。
笑顔までもが完璧に整い過ぎていて目のやり場に困ってしまった。
「初めましてだね♡ お名前は?」
「ユイ 私の後輩なの。今日は遊んであげてよ」
私が答えるよりも早くリネルさんは私を紹介てくれた。
「よろしくねボクはヒソカ」
「よろしくお願いします。………わっ!」
ヒソカがパチンと指を鳴らすといつのまにか、私の手の中にヒソカの名刺があった。
ホストって手品も出来るんだあって思うとちょっとだけテンションが上がった。
そして案内されるままに 薄暗い店内の囲われたソファ席に着いた。