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【イケメン戦国】新篇 燃ゆる華恋の乱☪︎華蝶月伝

第7章 揺れるびいどろ、恋ノ花模様 * 織田信長






────噎せ返るように暑い
それは夏の暑さなのか、それとも…

貴様への想いで、焦がれているせいか?










「信長様、出来上がりましたよ!」




夏の暑さが厳しい、ある日の昼下がり。
天主で縫い物をしていた美依がぱっと立ち上がり、文机で文の整理をしていた俺に話しかけてきた。

そして、目の前で布を広げてみせる。
漆黒の布地に、赤い曼珠沙華の柄が鮮やかな浴衣。
俺はそれを見ながら、口角を上げて美依に答えてやった。




「ほう…見事だな、間に合ったのか」

「はい〜、何としてでも今夜着たかったので、頑張っちゃいました」

「知っている、たいぶ夜遅くまで根詰めていたようだからな。それ程までに今宵の夏祭りが楽しみか」

「当たり前です!信長様と夏祭りに行くなんて、初めてなんですから」




(本当に愛らしいな、貴様は)

まるで夏に花を咲かせる向日葵のように、彩やかで可憐な笑みを見せる美依。
そんな美依を愛しく思い、自然と表情が緩んでしまった。

今夜、俺と美依は逢瀬をする事になっている。
近隣の小さな村の神社で夏祭りが開かれると言う話で、それを聞いた美依が、行きたいと目を輝かせたからだ。

ただし───………
それはあくまでも周りには『秘密』だ。
秀吉辺りが聞けば、護衛を付けろだ何だとうるさいだろうし、護衛など付ければ返って目立つと言うものだ。
小さな村ならば、村人に俺の顔が知られているという事もあるまい。

そんな訳で、秘密の逢瀬を楽しむという事になったのだが…
美依は『せっかくなら新しい浴衣を着たい』と、夜な夜な針仕事をこなしていた。
全く…逢瀬が楽しみだからと浴衣まで新調するとは、愛らしいにも程がある。




「美依…こちらへ来い」

「わっ……!」




俺は手招きして美依を傍に来させ、そして腰を掴んで引き寄せる。
美依は俺の胸に倒れ込むようにもたれ掛かり、そのまま顔を上げさせて、素早く唇を奪った。

軽く舌で口内をくすぐって、そして上唇と下唇を啄んで離すと、それだけで美依は瞳を潤ませる。
本当に、いつまでも初心な所も愛しい。
そう思いながら、指の背で滑らかな頬を優しく撫でた。






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