第6章 エゴイズムな純情戀歌《後編》* 豊臣秀吉
────さあ、今日はどう過ごそうか
突然ぽっかり空いた休みだから、
お前とのんびり過ごすのもいいな。
そもそも怪我人なのだから、
そう無理はさせられないし…って、
もうすでに、無理させた後なのだけど。
心が幸せで満ちる。
俺に妹は居なくなったけれど、
妹を失った代わりに、
最愛の女が今、この腕の中にいるから。
これからもとことん甘やかして、
夜になったら、トロトロに蕩かして…
そんな日々がこれから続いていくと、
それを思うだけで、酷く心が湧く。
これからも、たくさんの幸せを
二人で作っていこうな?
「しかし、どうやって報告するかな…」
ふと思った事に、顔をしかめる。
きっと信長様には『俺の持ち物に手を出したな』と責められるだろう。
三成や蘭丸はにこにこしていそうだが、政宗や光秀や慶次はからかってくるだろうし…
下手したら、許してもらえない可能性もあるな。
前途多難だなぁと…
苦笑してしまえば、美依はなんの不安もない顔でむにゃむにゃと寝言を言った。
その穏やかな寝顔を見ながら───………
俺は、この温かな時間が永遠に続けばいいと、淡く儚い望みを抱いたのだった。
エゴイズムな純情戀歌《後編》
ー了ー