第4章 蒼き隻眼竜の逆鱗 * 伊達政宗
────たった、ひとつ
赤裸々な"愛"をお前だけに注ぐ
その激しい炎は身を巣食い、
時には己さえも喰らい尽くす。
だが───………
それは俺に無くてはならないものだから。
お前を想うことで、
俺はもっと『格好良く』なれるかもな?
弱さも受け入れてこそ、
確固たる自分でお前を愛せると…そう思う。
甘い甘いお前には、
残念ながら甘い感情ばかりは抱けない。
時には醜く、時には激しく、
まさに逆鱗に触れるの如く、怒ったり。
でも、一緒に甘味を食べたり、
口づけをしたり、触れ合ったり…
甘い幸せもたくさんあるのだから。
今こうして触れ合えてる今も、
砂糖菓子のように甘い。
それを全部ひっくるめて、
お前を愛する『俺』なのだと。
そう心にすんなり落ちてくる。
「ありがとう、政宗…」
「じゃあ、また"する"か?」
「し、しないよ!」
「じゃあ、唇寄越せ」
「んっ……」
(きっと、俺が俺で無くなることはない。
どの顔も、全部…俺自身なんだろうな)
美依との口づけに酔いしれながら、悩みの種も一気に解消された。
もしかしたら、もう夢は見ないかもしれない。
でも…まだ見るかもしれない。
だって、溺愛している事実は変わらないのだから。
どっちにせよ、もう悩まないと決めた心はとても清々しく、気分は上々。
そして、やっぱり俺の作った甘味は絶品だな、と。
美依の唇から味わえる、そのほのかな甘味を感じつつ───………
その愛しい小さな身体を、改めて抱き締めたのだった。
蒼き隻眼竜の逆鱗
ー了ー