第3章 拝啓 愛しい君へ《後編》* 明智光秀
────拝啓 愛しいお前へ
今日も俺は、お前が好きだ
明日も…お前の事が大好きだ
たまには追伸ではなく、
お前への愛を綴った恋文を書こう
お前が照れる程、情熱的な文を
お前はそれに戸惑って…
また可愛らしく乱れてくれれば、
それでいい。
『約束、するのか?』
『うっ……』
『しないのか、残念だ』
『約束、しますっ…』
『ふっ…いい子だ』
『お、お手柔らかに…!』
『さぁ、それは知らん』
『〜〜〜………っ!』
『一回くらいは我を忘れるくらい
お前を愛してもいいんじゃないか?
ふっ…冗談だ。
でもまぁ…我を忘れてもいいと、
そのくらいお前に溺れているのは
間違いない。
────愛しているよ、美依』
追伸
たまには、お前からも文がほしい
それこそ情熱的な恋文を期待している
……半分本気で、半分冗談だ
恋文も勿論嬉しいが…
お前の気持ちは、その唇から聞きたい。
愛している、と
狂うほどに聞かせてくれ。
美依と一緒に迎えた朝。
それは凍る程寒かったようだけど…
二人一緒に居れば温め合える。
これからずっと…
一緒に生きていくのだから。
それを実感し、酷く心地良かった。
なかなか褥から出られずに、まさかの軍議に遅刻したのは俺にとっては痛い失態だ。
けれど───………
お前が居れば、俺は満たされる。
その幸せを噛み締めながら……
今日も俺は、お前を想って意地悪な文を書くのだった。
拝啓 愛しい君へ
ー了ー