第3章 拝啓 愛しい君へ《後編》* 明智光秀
「全部、入りましたか…?」
「いや…まだ半分だな」
「だ、大丈夫ですので……!」
「……」
「ちゃんと、全部…光秀さんをください…っ」
(辛いくせに……)
顔を歪め、涙目になりながらも懸命に俺を受け入れようとする美依に、愛しさしか生まれてこない。
もちろん、奥を突き上げるなんて簡単だ。
しかし───………
それをして、愛しい者が苦痛を味わうなど。
それは絶対にしたくないし、俺自身も辛い。
「……嘘を言う子は悪い子だぞ、美依?」
「う、嘘なんかじゃ……!」
「痛いなら痛いと言え。そんな風に我慢されて…俺が嬉しいと思うのか?」
「……っ」
すると、美依の瞳から涙がぽろっと溢れた。
美依は空いてる片手で瞳を覆い、まるで泣くことすら見せないようにしているようで。
そんな状態でも、美依は…
俺を想い、一生懸命に俺を受け止めようとしてくる。
「だって、痛いなんて言ったら…光秀さんが気持ち良くなれないから。私はさっきいっぱい気持ち良くしてもらったから、今度は光秀さんの番です」
「美依……」
「だから平気です。これは、幸せの涙ですから!」
────この、馬鹿娘
胸が苦しいほどに、鷲掴みにされた。
お前は…自分よりも俺を優先するのか。
それに、幸せの涙だと?
自分は苦しいのに……
愛しさがせり上がる。
それだけでもう……
とても、満たされる心地がする。
「ありがとう、美依」
俺は覆う美依の手を退け、そのまぶたに口づけを落とした。
こんな風に想ってもらえて…俺は幸せだ。
それに、今こうしてお前と繋がれて…
それだけで、俺はもう気持ちいい。
別に深く繋がる事だけが全てじゃない。
なら、お互いが気持ち良くなれる方法で…
一緒に高みを目指してもいいのではないか?
「なら、少し腰を揺すっていいか?」
「光秀さん……」
「馴染めばさほど痛くなくなるだろう。それで奥が大丈夫そうなら…また言ってくれ」
「は、はい……」
「ただし、我慢や嘘は無しだ」
俺が言えば、美依は少し笑みを浮かべて小さく頷く。
ああ…やっぱり。
お前は、笑っている方がいいな。