第20章 君色恋模様《後編》* 真田幸村
「……挽回、させろよ。お前を泣かせた詫びに、めいっぱい甘やかしたい」
「っ……」
「……嫌?」
『嫌なわけない、私も…甘やかされたい』
その言葉を合図に、俺達は重なり合う。
熱情が弾け、部屋に溶けていくように。
喧嘩して、仲直りして、すれ違って、また元通りになる。
俺達はいつもこうだ。
でもそれが、俺と美依の形。
きっと……ずっとずっと変わらない。
甘い吐息と熱が混ざり始めて、空気も桃色に染まっていく。
俺は美依の躰を暴きながら、芯まで蜜色に染まっていった。
部屋の隅に飾られる、純白な白無垢が目の端に映って……
まるで清楚な花嫁を俺の色に染めるような、そんな感覚まで覚えたのだった。
*****
『幸村、指輪…ありがとう。嬉しい』
熱に浮かされながら、美依は淡く微笑んで俺にそう言った。
俺が『おー』としか答えなかったら、少しだけむくれたけれど。
だが顔すら可愛いのだから、もうどうしようもない。
それだけ、俺はお前に惚れてる。
ようやく俺達は正式に結ばれるのだから……
────俺はお前に誓う
お前を一生、俺が笑顔にしてやるって
「あ…っぁ……」
「っ……美依」
「ゆき、むらぁ……」
俺の躰の下で、美依が悶える。
薄く朱になった肌は、熱の塊のように熱く……
触れれば吸い付くように、心地よい感覚がした。
二つの丸い膨らみ。
ぷっくり膨れた先を舌で嬲り、指で弄っていく。
赤く形を変えるそれは、唾で艶めかしく濡れ、甘い味にまるで目眩まで覚えた。
「……好い?」
「あっ…聞か、ないで……っ」
「ぷっ……すげー好さそうだもんな」
(ほんと可愛い、暴走しそうになる)
色々と堪えないと、めちゃくちゃに愛してしまう。
これは泣かせた罪滅ぼしだから。
傷つけた詫びに、たくさん優しくしてやりたい。
それでも、可愛く乱れる姿を見ていると、心が高ぶって欲情する。
"欲しい"という気持ちが湧き上がって……
本来の目的を忘れて走ってしまいそうだ。
それは駄目だと自分に言い聞かせながら、俺は美依の躰に手を這わせる。
乱れた着物の裾を割り、脚を撫で上げると、美依はまた肌を粟立たせた。