第15章 日華姫ーあの子の誕生日ー * 徳川家康
────生まれてきてくれた事に
最大級の祝福と感謝を、あんたに伝えるよ
生まれてきてくれてありがとう。
出会ってくれてありがとう。
俺に愛されてくれて、そして……
愛してくれて、ありがとう。
これからも、ずっと傍にいて。
願わくば…幸福な未来も一緒作りたい。
『二月後に祝言挙げて、それですぐ…かな』
『家康……?』
『美依、すぐ祝言挙げようか』
『へ?!』
『そのまま子が出来れば、俺の誕生日くらいには懐妊も解るよ』
『ちょ、ちょっと待って……!』
『欲しいんじゃないの、子ども』
『欲しい、けどっ……』
『俺はすぐにでもいいよ』
『~~~っっ!』
『あんたさえ良かったら、だけど』
時は巡る、運命も廻る。
あんたと出会えて、俺の人生は光輝いた。
きっと出会いは奇跡、でも。
惹かれ合ったのは、必然だと思いたい。
これから繋がる未来は、
きっと温かなもので溢れてる。
太陽みたいなあんたが、
俺をずっと照らし続けてくれるから……
俺はまた、無敵の力を手に入れる。
夏なんか大っ嫌いだった。
そんな夏も、あんたのおかげで
大切な日々の大切な季節。
あんたは俺の太陽だから、
今日も夏より暑い熱に浮かされていく。
それは蕩ける程の幸せ。
あんたが与えてくれた───………
焦がれるような、甘ったるい蜜熱。
日華姫ーあの子の誕生日ー
ー了ー