第13章 愛逢月の秘蜜《後編》* 政宗、家康
「はぁっ…もう、出そうだ……っ」
「んっ…俺も、結構…来てます」
「ふっんんっ、んぅ……っ!」
「美依……っ!」
駆け上がる、心も躰も。
淫らに乱れる、俺の姫。
願わくば……俺だけのものに。
出来れば、媚薬になんて頼らずに。
俺を見ろ、
俺だけを、見て。
気持ち良ーくさせる事なんて、
俺にも出来るのだから。
「ぁっ、出るっ…………!」
「……っあ…っぁあぁぁ………っっ!!」
「……っ美依、今離したら!」
────ああ、俺を愛してると言ってくれ
「はぁっ…は、ぁ………」
白濁に濡れた愛らしい顔が、恍惚に歪む。
家康が達する瞬間、昂りを口から離してしまったせいで、美依の顔に思いっきり精がかかってしまったのだ。
美依は何が何だか解らないと言った顔で、呆けた表情をしながらも無意識的に唇を舐める。
その仕草を見た家康と政宗は……
お互いに顔を見合わせ、若干頬を染めた。
「あー…本当に可愛い、なんなの」
「本当に媚薬だけのせいなのか、これ」
「さあ。ほら、美依…もっと舐めて」
「ん……っ」
家康は美依の頬に付いた己の欲を指で掬い、美依の口元に持っていく。
美依はそれを躊躇わずに、舌で舐め取った。
そして、指にも舌を這わせて、絡ませて。
それは、先程美依が口淫していたのを彷彿させる動きで……
二人はまた躰が熱を帯び、悦と言う痺れが全身を這い上がったのを感じた。
「もう一回、か」
「そう、ですね」
「美依に当てられたな」
「本当に、かなりやられてます」
もう、どちらが媚薬に冒されたのか。
美依を見れば、絶え間なく高ぶる。
それはきっと、美依の色香に当てられたせいだ。
いやらしくて、可愛いくて。
求めてくるから……もっとあげたくなってしまう。
媚薬のせいで苦しんでいた美依。
自分で慰めて、きっと心細かったに違いない。
でも、今は気持ち良さそうに蕩けてる。
満たされるって思ってもいいだろう、それならば───………
三人での異様な情事も、意味があったというものだ。