第10章 黒と蜜、紅と熱 ＊ 信長END

────ならば、全てを与えてやりたい


ぐっと腰に力を入れると、ぐちゅりと卑猥な音がして先が蜜口にめり込む。
瞬間、躰を震わせた美依に、身を屈めて口づけを落として……
その兎のように赤くなった瞳を見据えながら言葉を紡げば、驚くほど優しく響いた。




「────ようやく貴様を手に入れた」

「信、長、様っ……」

「心も、躰も…貴様の全ては、もう俺のものだ」

「はいっ……！」

「愛している、美依っ……！」






────ぐちゅんっっ！！






「───………っっ！」


一気に一番深部まで昂りをねじ込めば、美依は仰け反って声なき声を上げた。
堪らなかった、もう……
欲しくて、繋がりたくて、渇望に焼け焦げそうなくらい。

俺の腕の中に、美依は帰ってきた。
もう離せない、離してはやらない。
貴様は俺のもので、俺は貴様のものだ。




「……っ、動くぞ」

「や、信長様、待っ……！」

「待てん、もう限界だからな」




美依の静止を振り切り、抽挿を開始させる。
よく蕩けた美依の内壁は、今まで抱いてきたよりももっと絡みつき、締め上げてきた。
奥の口を叩く度、それは強くなる。

好くなって感じている、それを思えば……
もっと期待に応えるべく、腰が滑らかに動いていく。




「あっぁあんっ…やぁっ……！」

「嫌なのか、こうされるのが、美依っ…」

「おかし、く、なっちゃう…っあぁ…！」

「もっと乱れろ、好くなれ…おかしくなる程」




ずっ、ぐちゅんっ、ずるっ…ぱちゅんっ！
引き抜いて肌を叩けば、淫猥な蜜音が天主中に響いた。

それに比例するように、甘く高くなっていく美依の嬌声。
それを聞いているだけで酷く心地良く、心も躰も煽られて火照っていく。

もう独りよがりの行為ではない。
全てどろどろに混じって、溶け合う。
ようやく、真に『ひとつ』になれた。
それがこんなに気持ち良くて、芯から満たされるとは。



(美依…この渇望を、癒してくれるか)



酷く飢えた心と躰。
それが一気に潤い、水気を帯びる。
貴様の存在だけで、俺は……




────もう、何も怖くない
閃光が俺を一気に照らしたから。