第10章 黒と蜜、紅と熱 * 信長END
────ただ、貴様が欲しかった
『信長様』
貴様の呼ぶ声や、温かさ。
仕草も表情も、全てが愛しくて…
それを『愛』だと認識したら、
俄然全てを奪いたくなった。
だが、俺はこれしかやり方を知らない。
欲しいと思ったものは攻めて、
言う事を聞かす方法しか。
外側からじわりじわりと蝕み、
いつか心も蹂躙するはずだった。
なのに───………
何故貴様の心は手に入らん。
躰を奪い、どんなに好くしても、
その瞳は俺を見ていない。
他に好いている男がいるのか。
何故、貴様の心は支配出来ない。
俺を求めろ、美依。
躰だけではなく、心から。
俺は、貴様を愛しているから、
俺を、独りにするな
貴様の熱で───………温めてくれ。