第9章 黒と蜜、紅と熱 * 信長VS信玄《共通ルート》
「抗わなくていい、そのまま…溺れてしまいなさい」
「っ……」
「倒れるほど傷ついたんだろう?それを癒すよ、優しくするから」
「信玄、さ……」
「……しー、俺に委ねて全て忘れるんだ」
『信長が君を愛した証も、忘れさせてあげよう。全て俺で塗り替えて…俺の記憶を刻むんだ。大丈夫、俺に溺れているだけでいい。今夜は……もう離さない』
揺れる、揺れる私のココロ
あっちにゆらゆら、こっちにゆらゆら
私は、どうすればいい。
黒と赤の恋情、
どちらが幸せになれる?
どちらが───………
私にとって、正しい道なの?
狭い、薄暗い宿屋。
火照りきった二つの躰を重ね合わせて……
私は甘美に啼き声を上げていった。
ただ、癒されたかった。
全てを誰かに委ねたかった。
その『誰か』は解らないままで……
焦がれるような赤い華だけが、
私の躰に爛漫に咲き誇っていったのだった。
*.☪︎┈┈┈┈次回予告┈┈┈┈┈☪︎.*
美依が選ぶのは、信長か信玄か。
どちらと結末を迎えるのか……
決めるのは、貴女自身です。
*信長END
美依を迎えに来た信長。
信玄から奪い取るように帰った天主で、
"最後の囲碁勝負"を行う事に。
『────貴様の好きにしろ』
勝負の行方は、そして──……
翳る瞳は光を宿すのか。
*信玄END
美依と契った次の日の朝。
連れ去って甲斐に連れて行くと宣言する。
行く道を塞ぐ信長に、信玄は──………
『さあ、最後の決着だ…信長』
赤と黒の恋情、
譲れない二人の刃が交じる。