その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
『あぁ…だが、お爺ちゃんに言う前に彩花にその事を伝えて…この子が頷かなければ意味がない』
オレは言った。
「大丈夫だよ! 彩ちゃんはオレが出した提案にダメって言った事が無いから」
自信満々に言うツナにアーリアは微笑む。
『フッ…ならば大丈夫だな。私がこうして表に出られるのはこの子が完全に眠ったか意識がない時しか
出てこられない。今は衰弱の可能性があるから慌てて出てきたがな』
「そうなの? でも彩ちゃんと話してるのに別の人と話してる感じだけど」
オレの言葉にアーリアは瞬きする。
『……そなたにはそう見えるか…。なら隔てりなく話せるな』
そう微笑むアーリアにオレは言った。
「でも彩ちゃんが表で居る間は会えないんでしょ?」
その問いにアーリアは苦笑しながら答える。
『ハハハ…私を気に入っての言葉か? そうなるとこの子が嫉妬するぞ?』
オレは瞠目する。
「っな!? そ そんなんじゃないです! 何故かあなたからは敵意ではなく善意と慈しみが感じられたから」
アーリアは瞠目した。
(まだ小学生なのにここまで超直感が機能しているとは……危うさがあるな…暫くしてから9世に頼むしかあるまいな)
アーリアは内心で呟く。
『綱吉……もう少ししたらそなたの力を封じなければならない。理由はそうだな…彩花の様に
狙われやすくなるからだ。この子もそなたを守ろうと必死になるだろうがそれだとこの子の体が
ボロボロになってしまう。それは綱吉とて嫌だろう?』
その問いにオレは頷く。