第6章 星月夜
(同じタイミングでメールした...ってこと?)
同じタイミングで同じ内容のメールを送った。
その事実に汐は思わず頬をゆるめた。顔がだんだん熱くなってくるのがよくわかる。
まだどきどきと高鳴りの収まらない胸を手で押さえた。
その手にはケータイが握られている。
再び汐のケータイが鳴った。
凛からのメールだ。
〝2人して同じタイミングで同じメールしてやんの。
8時過ぎくらいがピークらしいな〟
凛も同じことを思ったらしい。そのことが少し嬉しかった。
〝そうだね。
あたし今学校出たとこなの。もしまだランニング行ってなかったら、一緒に見ない?〟
送信ボタンを押した。珍しくお互い返信がはやい。
送っちゃった...と汐は頬を染めた。
まだ心臓がうるさい。
(いい返事、くるといいな)
汐はケータイを握りしめ、美しい星月夜の道を歩き出した。