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Emotional Reliable

第6章 星月夜


 
 
「は?!榊宮お前医者と大学教授の娘だったのか?」
薄暗い夜道の中、凛が目を丸くする。

「そうだよ。大学教授って言っても准教授だけどね」
ふうん、と凛は返した。どうやら汐は凛が思っていた以上に良家のお嬢様であるようだ。
私立の名門お嬢様進学校のスピラノの名前は伊達ではないらしい。

「でもお前、お嬢様っつー感じじゃねえよな」
汐は一瞬、は?という表情をした。次にふふっと笑いだした。

「笑うなよ」
「ここにもスピラノをお嬢様校って思ってる人いた」
「部活の奴とかクラスの奴がお嬢様校って言ってたけど」
「んまあ、確かに璃保みたいなお嬢様も多いけど、あたしみたいな普通の人ばっかだよ」
璃保?と凛は眉を寄せる。汐はちょっと考えた後にゆっくりと話し始めた。

「朝比奈璃保っていう子なんだけどね、ほら前の合同練習のときに松岡くんの隣のレーンを泳いでた、青みかかった黒髪ショートの背の高い子」
汐は凛の顔を下から覗きこんだ。凛の顔にはクエスチョンマークが浮かんでいた。そんな凛を見て笑いながら、って言ってもわからないよね、と付け足した。

「璃保はね、今のスピラノだとあたしの一番付き合いの長い親友。になるかな」
汐は夜空を仰いだ。夜の帳に散らされた無数に輝く星たちが美しい。


凛の中でひとつ、汐の言ったことで引っかかるところがあった。
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