第5章 願いはただひとつだけ
―ドンドン―
「おーい!リヴァイ!!いるんだろ?私だ、エルヴィンだ。私も2人と一緒にクリスマスのディナーをしたくて来たんだ。入れてくれ」
「ハッ…これはいったいどういう状況だ…」
こんなオチのような結末まで前世の記憶の通りとは、もはやため息を通り越して天晴だ。
「フフフ…確かにこんな展開がありましたね。懐かしく感じてしまいます」
「これからお前と2人きりの時間を楽しむ予定だったんだが…とんだ邪魔が入ったな…」
少し懐かしくも感じる展開には微笑んだが、リヴァイは呆れたような不機嫌顔だ。
「せっかくなのであがってもらいましょう?お料理もたくさんありますし」
今日はクリスマスだ。それに2人の想いが繋がった喜ばしい日なのだ。不機嫌顔でいるのはもったいない。
そう思ったはエルヴィンを招き入れようと一旦リヴァイから離れようとしたのだが…
「キャッ!キャア…!」
玄関まで向かおうと思っていた身体が突然宙に浮いたかと思ったら勢いよくソファに倒れてしまった。
「…リ…リヴァ…イさん…?」
ソファに仰向けで、目の前にはリヴァイの顔。
は目をパチパチとさせながら戸惑うが、なんとか頭をフル回転させると、自分は今リヴァイによってソファに押し倒されたのだと気づいた。
「あ…あの…リヴァイさん?エ…エルヴィンさんが、待っています。寒いですし早く玄関を開けてあげないと…」
「アイツは少し放っておけ。心配しなくても、風邪などひくかよ。毎日無駄に鍛えてやがるんだ、大丈夫だ…」
「そ、そんな…」
「心配など不要だと言っている…それにな…」
「え…?」
「今俺は、お前の口から俺以外の男の名など、聞きたくないんだが…」
「……!?」
はリヴァイの言葉からからの独占欲のようなものを感じたのか、心拍数が跳ね上がってしまった。