第2章 冬の雨
「今日は色々と大変だったな…」
「あ、いえ…それはリヴァイさんこそ…本当に、ありがとうございました。」
ビールが注がれたグラスを丁寧に両手で持っていると、リヴァイが少し照れくさそうに言った。
「なんだ…その…今日から…というか正確には昨日からになるが……宜しくな…」
「え?!」
すると、リヴァイは少し強引にグラスのフチを重ねて“チン”と音を鳴らすと、照れ臭さを紛らわすかのようにクイッと飲み干してしまった。
ー“宜しくな”ー
その言葉に胸が暑くなったも、きちんとリヴァイの目を見て答えた。
「こちらこそ…リヴァイさんと巡り会えた運命に心から感謝しております。どうぞ宜しくお願いします…」
そして、も見かけによらずにクイッとグラスを空にすると、はにかむような笑顔で柔らかくリヴァイを見つめた。
11月21日。
冷たい冬の雨が降った日に出会った2人の共同生活が、冷たいビールの乾杯の音と共にスタートした。