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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第97章 役者は揃った<弐>


屋根の上に気配を感じ、妓夫太郎が顔を上げるとそこには、黒髪を一つに結んだ女性が一人立っていた。

彼女は大量のクナイが装てんされた、銃のような大型の装置を構え、妓夫太郎に向けて放った。

黒いクナイの雨が、妓夫太郎に向かって降り注ぐ。

(なんだ、クナイか。柱を前にこの数全て捌くのは面倒だなぁ。ちまちまと鬱陶しいぜ。ヒヨコの鬼狩りも四人いるしなあ。まぁ、当たった所でこんなもの・・・)

そこまで考えて、妓夫太郎は違和感を感じた。

(いや、そんな無意味な攻撃今するか?)

日輪刀で頸を斬られない限り、鬼は死ぬことはない。それ外の武器で傷をつけられても、すぐに治癒してしまうためかすり傷にすらならない。

その事は鬼狩りならわかっていることである。だからこそ、妓夫太郎はこの攻撃に何か意図があるということを瞬時に察した。

血鬼術――
――跋弧跳粱(ばっこちょうりょう)

妓夫太郎は両手の鎌と血の斬撃を自分の周りで振り回し、その遠心力と刃でクナイの雨を防いでいた。

(斬撃で天蓋を作ってる!!)

攻撃が防がれた事に女性は息をのむが、息をのんだのは彼女だけではなかった。

宇髄が妓夫太郎の隙を狙い、一気に突っ込んできたのだ。

(オイオイオイ、何だ何だコイツは。突っ込んで来るぞ。しかも刺さってんじゃねぇか、テメェにもクナイが)

妓夫太郎の言う通り、宇髄の身体にも何本ものクナイが突き刺さっていた。しかし宇髄は全く痛がる様子を見せず、ただ目の前の鬼に刃を振るうことだけを見据えているようだった。
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