第81章 幕間その伍:柱だヨ!全員集合?(後編)
陽がだいぶ傾き、少しばかり風が冷たくなってきた頃。
悲鳴嶼邸を出た二人は、近くにあった甘味処で一休みすることにした。
甘露寺は皿が山積みになるほどの三食団子を。甘いものが苦手な汐はところてんを注文した。
「さて、後ご挨拶をしていない柱の人は・・・蛇柱の伊黒さんと、風柱の不死川さんの二人ね」
「・・・え?」
次に向かう所を聞いて、汐の顔が引きつった。
前者の伊黒は柱合裁判で汐を拘束し、痛めつけられた相手。後者は禰豆子を傷つけ、激高した汐が殴り倒し、あまつさえ殺めようとした相手だ。
そんな二人が汐と会えば衝突は避けられないことは確実であり、汐自身も二人は好き好んで会いたい相手ではない。
しかし甘露寺は、伊黒はともかく不死川には、殴ってしまった事と殺そうとしてしまった事をきちんと謝らなければならないと汐を諭した。
殴ったことはともかく、殺そうとしたことは簡単に許されるとは思わないが、ぐうの音も出ない正論に、汐は従うしかなかった。
「さて、お腹もいっぱいになったことだし、そろそろ行きましょう。早くしないと日が暮れてしまうわ」
相も変わらずウキウキとした甘露寺に、汐は陰鬱な気持ちでしたがうのだった。