第61章 幕間その肆:竈門炭治郎の溜息
「その音の様子じゃ、汐ちゃんと仲直りはできたんだな」
部屋では体を起こした善逸が、言葉とは裏腹な微妙な表情で炭治郎を見ていた。炭治郎はそんな善逸に「ああ」と満面の笑みで返す。
しかし善逸は、何が気に入らないのか変な顔で炭治郎を見据え、彼から感じる匂いに炭治郎は怪訝な顔をした。
「善逸?どうしたんだ?なんだか匂いが・・・」
「もう痴話喧嘩はこれっきりにしろよ。うるさくてたまらないんだからな」
善逸はそう言って再びごろりとベッドに寝転がり、そのまま寝息を立て始めた。その寝つきの良さに炭治郎は驚きつつも、善逸が心配してくれていたことにうれしくなり、笑みを浮かべるのだった。