第157章 不滅<弐>
時間は少し遡り
――水の呼吸・肆ノ型――
――打ち潮
汐と炭治郎は義勇との稽古の合間に、参考にと水の呼吸を見せてもらっていた。
義勇が繰り出す美しい技に、炭治郎は勿論汐も釘付けになっていた。
「前々から気にはなっていたんだけれど、義勇さんの技は炭治郎のものとは別物に見えるわね。見事なものだわ」
汐は両手を打ち鳴らしながら称賛の声を上げた。
義勇の全ての技を見終わった後、炭治郎は何かを思い出したかのように肩を震わせた。
「そうだ、汐の海の呼吸を義勇さんに診てもらったらどうだ?」
「随分唐突ね」
その思わぬ提案に、汐は少し呆れたように答えた。
「でも義勇さんって他人にあんまり興味なさそうだし、あたしの技なんか見ても面白くないんじゃない?」
「流石に失礼だぞ、汐。いくら義勇さんが口下手で人と関わるのが苦手だからって、そんな言い方は・・・」
「いや、あんたの方がよっぽど失礼な事言ってるわよ」
炭治郎の言葉に汐は冷静に突っ込むと、義勇は少し遠慮がちに口を開いた。