第153章 真実(後編)<弐>
「君は・・・」
炭治郎はすぐに、番人が只者でないことを見抜いたが、不思議と敵意は感じなかった。
それどころか、どこか懐かしい感じがした。
『まさか、君とこうして会うことになるとは。何があるか分からないものだな』
番人は布越しに笑うと、炭治郎にそっと近づいた。
「ここはどこなんだ?そして君は・・・」
『本当に覚えていないのか?』
炭治郎の問いを、番人は更に問で返した。言葉に詰まっていると、番人は炭治郎の隣に立ちその顔を見上げた。
『君は本当は気づいているんじゃないか?ここがどこか、私が誰か』
番人の言葉に炭治郎は首を傾げ、番人は呆れたように溜息をついた。
『なら、これを見れば思い出すか?』
そう言って番人は、手の中にある何かを炭治郎に差し出した。
それは、半透明に透き通った花びらのようなものだった。
再び炭治郎が首を傾げた、その時。
花びらがまばゆい光を放ち、あたりは白一色になった。