第135章 為すべきこと<参>
翌日。
機能回復訓練をしていた汐の元へ、蜜璃が様子を見にやってきた。
汐は訓練を中断すると、蜜璃と共に部屋へと戻った。
「そう、もうすぐ完治なのね。よかった・・・」
汐から話を聞いた蜜璃は、心の底から嬉しそうに笑った。
「腕の違和感ももうほとんどないから、長くても一週間以内には復帰できるみたい。ところで、みっちゃんがここに来たのは見舞いだけじゃないわよね?」
「ええ。しおちゃんにこれからの事を伝えるために来たの」
蜜璃はそう言って、真剣な表情で汐を見た。
「もしかして伊之助が言ってた、合同強化訓練・・・ってやつ?」
「そうそう!名付けて"柱稽古"!!柱よりも下の階級の隊士の人達が、私達柱の所に来て稽古をする、大規模な催しなの!!」
蜜璃は頬を高揚させながらそう言った後、突然真剣な表情で汐を見ながら言った。
「ねえ。しおちゃんは、柱がどうして継子以外に訓練をつけないかわかる?」
蜜璃の問いかけに、汐は首をひねってこたえた。
「柱が変人すぎて人が近寄ってこないから?」
「しおちゃん、ボケないで真面目に考えて」
「あ、うん(ボケてないけど)。えっと、単純に考えたら、忙しいのよね。みっちゃんもしのぶさんも、あちこち飛び回っているみたいだし」
汐の答えに、蜜璃は頷いた。